突発性難聴になった時の話、今はもう平気
突発性難聴になった時の話をする。
今はもう平気で、普通の生活をしている。
他の突発性難聴になったことのない人と同じ、ではないかもしれないが、少なくとも私は、普通に生活しているし、十分幸せだ。
突発性難聴の発病
ある朝、出勤途中に、突然周りの音が反響して聞こえるようになった。
車の走る音が、グワーン、グワワーンって。
もちろん初めての経験だが、しばらくしたら普通に戻ったので、気にせず職場に行った。
職場で仕事をしていたら、打ち合わせ中に、目眩がし始めた。
回転しているというより、視界が波打っている感じ。
立ち上がれない。
耳鳴りもする。
周りのみんなも、私が正常じゃないことに気付いてくれ、無理しないように助言してくれた。
何とか打ち合わせが終わって、椅子に座って休んでいたが、尋常じゃない目眩に、脂汗がにじんだ。
この時点で怖くなり、医者へ行くことに決めた。
仕事はそれなりに多忙だったが、後で振り返ったら、この判断は正解だった。
耳鼻科での診療、目眩の原因は不明
目眩は少し収まったが、耳鳴りが激しい。
左耳が、ほとんど聞こえない。
ネットで検索して、職場に一番近い耳鼻科へ行った。
この時点で歩ける(動ける)体調だったのは、幸いだった。
耳鼻科で問診を受けて、診療もしてもらったが、よくわからないとのこと。
中耳炎の可能性があるので、その処置はしてもらったが、総合病院で診察することを勧められた。
頼りない医者だと思ったが、いい加減なことをしない、良心的な医者だったのかもしれない。
体調も心もだいぶ落ち着きを取り戻していたので、ここまできたらトコトンまで調べてみたくなり、総合病院の紹介状を書いてもらうことにした。
好奇心旺盛な性格だった自分に感謝だ。
総合病院で、突発性難聴と診断
歩いて行ける距離に総合病院があった。
耳鼻科の先生に書いてもらった紹介状を手に、総合病院で診察を待った。
職場にはその旨伝えてあったが、急に総合病院へ行くことになったと聞いた周りのみんなは心配したと思う。
普段から人間関係を作っておいて良かった。
総合病院では、いくつかの検査をしたが、問診での私の話を聞いて、突発性難聴かメニエール症候群の可能性が高い、との診断結果となった。
どちらの病気も初めて聞くものだったが、病名がついたら、とりあえず安心した。
何の病気かわかりません、と言われるより100倍ましだ。
処方された薬は抗生物質だったと思う。
私は専門科ではないので、このあたりは、適当なことは書きたくない。
ただ、結果的に処方された薬が効いたことは、間違いないことは、書いておく。
突発性難聴は、初動が大切
処方された薬を2週間ほど飲んだ。
その間、できるだけストレスを避けて、おとなしく生活することを心がけた。
実は、総合病院の医者からは、入院することを勧められた。
突発性難聴の原因は、ストレスによることが多いので、その原因から遠ざけるためらしい。
今にして思うと、このとき入院しておいても良かった。
結果的に普通の生活に戻れたので結果オーライだったが、一度入院を経験するのもアリだった。
仕事は、健康を取り戻せば、いつでもできる。
医者に言われたが、突発性難聴は初動が早いほど、あとの症状が軽くてすむそうだ。
我慢していると、どんどん悪くなるし、症状も残るとのこと。
私の怖がりなところと、好奇心旺盛な性格が、突発性難聴を軽く済ませてくれたようだ。
このときの自分に感謝しかない。
今の病状、完治してないけど困らない
総合病院の先生からは、突発性難聴は完治しないと言われた。
実際、私の左耳はかなり聞こえ辛い。
耳鳴りも、つねにしている。
定期健康診断は、かろうじてクリアーできているが、かなり集中して聴力検査にのぞんでの結果である。
特に、男性の低い声と、居酒屋など賑やかな場所での会話が聴き取りにくい。
でも、生きていくのに特別な不自由は、ない。
ありがたいことに、目眩はほぼ再発していない。
仕事などで疲れたり、ストレスが続いたりすると、耳鳴りが強くなる。
これはある意味便利で、少し休息しろというアラートだ。
この便利な機能は家族や親しい人にも教えてあって、私の(プラス)個性になっている。
突発性難聴になっても、大丈夫
同じ人間が二度なることは少ない病気らしいので、この記録が、私以外誰かの役に立てば嬉しい。
最後にもう一度書くが、突発性難聴になっても、必要以上に落ち込む必要はない。
大丈夫、ちゃんと普通の生活に戻れる。