ギャンブル(パチスロ)依存症を振り返る
私はこれまでの人生、心身ともに健康であったという自負がある。
病気や怪我で入院したことは一度も無いし、治療が必要なほど精神を病んだこともない。
スポーツや家庭菜園や散歩で、体を動かすのも大好きだ。
周りの人も「いつも健康的で楽しそうに過ごしていますね」なんて言ってくれる。
しかし、実は、とある病気になりかけた過去があるのだ。
ギャンブル依存症。
私の場合はパチスロ依存症だ。
いつか、このことを振り返りたいと思い続けていた。
今がその時という理由はないが、幸い今は病気を克服できているし、振り返りを先延ばしにしてもいいことないので、過去を精算するために、いま書いておこうと思う。
パチスロにハマったきっかけ
今から15年くらい前の話だ。
ストック機の全盛期に、パチスロにハマった。
ハマったきっかけは単純で、勝てたからだ。
当時としては、仕事がらネットに詳しく、パチスロのストック機の攻略情報を、人よりも早く知ることができたからだ。
仕事帰りや休日に、単なる気晴らし、ストレス発散と思ってやったパチスロが、わりと簡単に勝てた。
そりゃハマる。
調子に乗って収支表なんて記録して。
いま冷静に振り返ると、かなりハマっていたな、と感じる。
小遣い帳すらつけたことのない人間が、せかせかと収支表書いてんだから。
完全に本気。
本気になる対象が明らかに間違えているが、当時の私は欲望に勝てなかったのだ。
知り得た情報の善悪を判断する智慧も、持ち合わせていなかった。
恐らくおかしくなっていた頃
本気でパチスロにハマっていたから、情報収集も半端ではなかった。
パチスロ雑誌を何冊も買っていたし、暇さえあればネットを回遊していた。
家族は、パチスロ雑誌だらけの私の部屋を見て、どう思っていたのだろう?
怪しげなパチスロ攻略情報を書き込んだ私の手帳を見て、苦々しく思っていたのだろうか?
いま、当時の私のことを家族に聞くことなど、恥ずかしすぎて、とてもできない。
そんな必死すぎる情報収集なかでも、ネットの某掲示板の情報は鮮度が高く、魅力的だった。
ガセも多かったが、何より新鮮だったので、試してみる価値があるように感じたのだ。
新しい情報を知るたびに、すぐにでもパチスロ屋に駆け込んで試したくなる。
持ち前の好奇心の強さが、パチスロについては仇になった。
パチスロで勝つという当初の目的(モチベーション)が、いつしか攻略情報を誰よりも早く試したいという好奇心を満たすことが目的に、すり変わってしまっていたのだ。
すでに想像がつくと思うが、こんなことをしていたら、ギャンブルで勝てる訳がない。
ギャンブルというのは、つまらない努力を淡々とできる人が勝つもので、楽しんでいたら勝てないものなのだ。
あっという間に、当初の勝ちは溶けてしまった。
パチスロ依存の終焉、その後
このパチスロハマり状態だが、終焉は月並みだ。
パチスロをする金が尽きて、やりたくてもできなくなったのだ。
正直言うと、借金も作った。
このとき私の失敗を諌めてくれた奥さんには、本当に感謝している。
完全にパチスロから足を洗うことができた。
ギャンブル依存症になりかけていた私を救ってくれたのだ。
今はもう、パチスロをやる自分を想像できない。
趣味で楽しくパチスロをしている人には申し訳ないが、私はパチスロを肯定することはできない。
今回、過去を振り返ってみて、パチスロが人生にプラスになったことは何一つないことを、改めて確認できたからだ。
幸いなことに、人生には楽しいことがたくさんあることを、私は学んでいる。
パチスロ依存症になりかけた過去を精算して、今後の人生を楽しみたい。